子どもに戻った人

先日、モーレ(more=ブラックベリー)のおいしいジャムのサンプルがイタリアから届き、ずっとウキウキしていた夫。

今朝夫が起きがけに「子どもの頃、マンマが作っていたおやつを作ってあげるからモーレとパン、バターを用意しておいて!」と言うので準備して(期待して)待っていると「パンが熱々すぎる。これじゃあ作れない。」と。大サービスで焼きたて熱々パンを準備したのに….(涙)。

ならば午後のおやつに作ってとせがみ、作ってもらいました。夫曰く、「ちゃんとしたパンと冷蔵庫から出してすぐに厚めに切ったバター、モーレのジャムが必要」とのことでパンが熱いとバターが溶けるのでダメだったらしい。

確かに感激のおいしさ!頭が下がりました。そのまま食べるとブラックベリーの酸味が少し強いのですが、これだと活きる。活きてます、モーレ様。

「お腹空いたーというとマンマが冷蔵庫をあけてさっと作ってくれた。もちろん自分でも作ったけど。」とのこと。ちなみに私の子どもの頃のおやつって…おにぎり、ふかしたさつまいも、5円チョコだったような。既に記憶が曖昧なのですが、子どもの頃の記憶をしっかり覚えていて私にフィレンツェ風を吹かしてくれる夫に感謝です。

今回のモーレのおやつにしてもそうですが、本当のトスカーナ料理を日本で食べようと思ったら、やっぱりちゃんとした素材が必要なのだと思います。日本の素材である程度は近づけたと私が思っても、我が家のトスカーナ人を納得させる仕上がりにはならないのです。いちいちうるさいと思うこともありますが、夫の舌と記憶が私の財産です。そして私自身も「ちゃんとした」トスカーナ素材、味を伝えられるように努力したいと思います。