後半戦はパンくらい切れないと

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前回のブログを書いて早々に、おにぎりもごはんを炊くのもマスターした娘が「もうイタリア行っていいの?」と言うので次なる課題を設けました。

課題その2:トスカーナのパンを使いこなすこと。

フィレンツェの実家に必ずあるのはお米ではなく、トスカーナの塩が入っていないパン「パーネ・トスカーノ」。毎朝、義父がパン屋に買いに行くのが日課。
よく日本でイタリア人は行きつけのバールがあって毎日そこでエスプレッソを飲むなんて言葉を聞きますが、夫によるとそれは違うよう。「うちの家族は昔からそんな無駄遣いしないよ、でもお義父さん行きつけのパン屋はある。」とのこと。

トスカーナのパンはハード系のパンのように少し硬いので小学生の子供にはやや扱い辛いように思います。
お腹が空いた時、手を切らないで包丁で切って、オリーブオイルをたっぷりかけて食べれるように。
パンにトマトをこすりつけてオリーブオイルもかけた娘の大好きなパーネ・ポモドーロを自分で作れるように。
たまにはNutellaもつけて朝ごはんできるように。
とにかくパンくらいは切れないと。

フィレンツェでは寄宿舎に入るのではなく、おじいちゃんおばあちゃんと暮らすのできっと義母がパンくらい切ってくれるんだろうけど、教えてあげたいことがどんどん出てきて、考えると寂しい気持ちもいっぱいになります。

でも、夫は私と反対に楽しみで仕方がないようです。産まれてから日本で暮らしてきて、気づけば日本語が話せる夫に娘たちは日本語で話します。自分の娘に外国語で話しかけれる寂しさがずーっとあったのだとか。
娘がイタリア人として成長した姿を思うと楽しみでたまらないと言います。

「イタリアといえばサッカー、イタリア人の子供として前半後半があってもいいんじゃない?サッカーの試合でいう前半戦は日本で、後半はイタリアで育ったら、どんな子供になるか楽しみ!」

これはよく口にする彼なりの楽観的な子育てポリシー。
家族の結びつきがびっくりするほど強いイタリア。家族と離れて長い間、日本で暮らしている夫のことを思うと、まだ小さくて手放すのは寂しいけれどその気持ちを理解してあげたいと思うようになりました。
ざっくりとした解釈では、人生はサッカーです。

当の本人は、どこまで分かっているやら。イタリアはバカンスの思い出がたくさんある楽しい国という印象なので「あと何をやったら行っていいの?」とパン切り包丁を持つ手に全く不安を感じさせません。

とにかく後半戦に向けて明るく備えたいと思います。

写真の絵はフィレンツェの義母の作品で昔から実家のキッチンに飾ってあったもの。マンマが恋しすぎて日本の我が家に持ってきてしまった家宝です。